鶏舎のこと|経済動物じゃなくてよかった
最近、鶏舎で働き始めました。鶏舎と聞くと、多くの人は「採卵鶏」を思い浮かべて、そこからケージ飼いの問題を連想するかもしれません。
でも私が働いている鶏舎で育てているのは肉用鶏で、いちばん身近なのは、フライドチキンになる鶏肉です。基本は35日間育てて、2kgくらいまで大きくなります。こんなに早く育つのは品種改良の結果で、成長ホルモンを打っているという噂は間違いです(本当に打っていません)。ただ、それだけ成長が早いので、「骨格が肉の重さを支えきれない」(これは事実です)というアニマルウェルフェアの議論もあります。
鶏舎は平飼いで、平らな地面で育てます。止まり木もケージもなくて、床にはもみ殻を厚く敷きつめています(おがくずでもいいみたいです)。閉め切った環境で、換気扇、ウォーターカーテン、ミストで涼しくして、暖房機で温めます。
最初の1週間は、いちばん死んでしまう時期です。
細菌の感染、目が開いていなくて自分で水やエサを見つけられない子、元気がなくて動けず、つついてやっと2、3歩歩く子、足を引きずって動きが制限される子。それから、走れるしエサも食べられるのに、成長がほかの子に追いつかない子もいます。
最初はみんなと変わらないように見えても、日がたって体格の差が開いてくると、ついていけない子は水やエサから押しのけられて、差がさらに広がります。しかも、いじめられます(鶏の群れにははっきりした序列があります)。
見回りをしながら、死んでしまった子を拾い(ほかの鶏に踏まれているのも見かけます)、おかしな行動をしている子がいないか観察して、こんなことを考えています。
「私はどのタイプなんだろう。生まれつきどこか欠けていたかな。成長についていけなかったかな。いつか淘汰されてしまうのかな」

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